





【1日目】
車もしくは路線バスを利用し、夜叉神峠入り口で下車する。つづら折りの道を登ること約45分で十字路の峠に着く。右折してすぐ夜叉神峠小屋の前に出る。夜叉神峠の看板が立っている。野呂川の深い谷を隔てて雄大な白根三山に感嘆する。峠から少し下って距離は短いが深くえぐられた溝状の急登を登り返す。ツガの生い茂る深い樹林帯となり、広く緩やかな尾根の西側を登るようになる。道が大きく左にカーブしてトラバース気味になる場所が、鉄製のケルンの立つ杖立峠だ。峠からは直角に右に曲がり、辻山から延びている尾根の西側を登る。樹林帯を出ると、山火事跡に出る。道は北西から北にカーブし、左に白根三山を見ながらの登りとなる。3つ目の鉄製のケルン辺りで休憩してあとひと頑張りとなる。再び樹林帯の中に入り、葺平に着く。地名の由来となったシロバナノヘビイチゴが、春には白い花を咲かせている。ここは十字路となっていて左は辻山へ、右は大ナジカ峠から甘利山への道だ。直進して南御室小屋に向かう。辻山の北東面を緩やかにトラバース気味に下って30分もすると突然明るい空間が現れる。昔から変わることのない南御室小屋が建っている。
【2日目】
早朝、小屋の西脇から一気に急登する。時間にして10分か15分だ。登り切ると尾根の東側を尾根線に並行して緩やかに樹林の中を進む。樹林帯を抜け出して花崩岩の巨岩が現れるようになると、砂払岳への登りとなる。岩に付けられた赤いペンキに導かれて砂払岳に立つと、足元に小さな薬師岳小屋が目に入る。小屋の前を通って白砂の中の踏み跡を追って登り詰めると、広い薬師岳の頂上に着く。鉄製のケルンが立ち、東方には2780mの頂上となる岩峰が白い巨岩を積み重ねている。甲府盆地から眺める薬師岳はこの巨岩から成る岩峰がフタコブラクダのように見える。
薬師岳を後にして巨岩の間に風雪に耐えたカラマツやハイマツを見ながら、白砂を踏みしめて広い稜線を北に向かう。約40分で鳳鳳山の最高峰2840.4mの観音岳の頂上に着く。北に白砂の審ノ河原から天に突き出した地蔵ケ岳のオベリスクと甲斐駒ケ岳の雄姿をはさんで右に八ケ岳、左に仙丈ケ岳、そして薬師岳では見ることのできなかった甲府盆地も眼下に望むことができる。
次に目指すは地蔵ケ岳だ。花こう岩の巨岩をぬって急な下りとなる。かつて稜線上の岩場を下って審ノ河原への道が主流であったが、近年では右側、ダケカンバの中の道に変わってきている。足元に注意し、木々の枝につかまりながら下って行くと、広い白砂を前にして地蔵ケ岳のオベリスクは手の届くところに現れる。白砂の中には踏み跡があちこちにつけられているのでガスの時などには注意しなければならない。右に下る踏み跡は直接鳳鳳小屋に下る道である。左側の踏み跡を追って稜線に出る。辺り一帯は審ノ河原と呼ばれ、子授け地蔵が安置されている。オベリスクの基部までは行けるが、頂上に登るのは無理。地蔵ケ岳(2764m)のオベリスクに向かい合うアカヌケ沢の頭に登り返して高嶺に向かう。少し下って岩稜の尾根を登ると狭いピークに着く。三角点のある2778.8mのピークはもう少し北にある。高嶺である。頂上からは大樺沢が北岳バットレスめざして昇天している様子が印象的だ。
急な花こう岩の岩稜をどんどん下る。樹林帯に入ってなおも下ること約1時間10分、やっと2445mの白鳳峠に着く。ここまでを一般に鳳風山塊と呼び、これより北を早川尾根と呼んでいる。峠は今までの白い花こう岩に変わって赤茶けた変成岩が、これから下る谷間いっぱいにたい積している。ゆっくり休憩したらねんざなどしないよう足元に注意しながら下る。標高差865 mをおおよそ2時間30分かけて下る。下り始めてしばらく沢を歩くが、その後左から延びてくる尾根にトラバース気味に取り付いて尾根の左側を下り、再びトラバース気味に尾根を越えて小さな沢に出る。道は大きく左から右へう回する。道に迷うことはないが地図と地形に注意して下ってみよう。小さな沢に出て約500m、急な坂道を下って南アルプス林道の白鳳峠登山口に出る。林道に出て10分ほどで広河原に着く。