





観音平駐車場の南東奥から、よく整備された八ヶ岳横断歩道を指尊標に従って三味線滝方面へ進む。カラマツに広葉樹が混じる山腹を下り、堰堤の上で古杣川を渡る。沢沿いの林道を横切ってアトノ尾根の山腹に取り付く。土留めの階段を高さで70mほど急登し、右にトラバースして十字路に出る。直進すれば15分ほどで三味線滝。右は、すぐに八ヶ岳神社の小さな石のほこらを見て、約7kmほど下ればJR小海線甲斐小泉駅となる。
ここは左へ登る。広い尾根にササが茂る樹林帯のルートだ。夏にはまとわりつくアブに悩まされる。20分ほどで延命水への道を左に分ける。延命水は100m余り緩く下るが、今やけものの水場で飲用不適だと記された地元長坂山岳会のプレートがかかっている。分岐を右へ、八ヶ岳らしいコケむした露岩が目立ち始めた自然林を行くと、25分ほどで早乙女原展望台の指導標に出会う。展望台は登山道より右へ入った標高1830m地点だが、木々が伸び展望は得られない。
笹すべりと呼ばれる急登をこなして行くと、やがてヘリポートに到着する。さらにシラベ、コメツガの中を130mほど高度をかせぐと木戸口の指導標を見る。2240m地点の小さなコブでダケカンバの大木が目立つ。
細くなった尾根を、初夏にはイワカガミやキバナノコマノツメの群生を楽しみながら頑張ると、三ツ頭まで0.5kmの指導標を過ぎて間もなく天女山からのルートを合わせ、三ツ頭のピークに到着する。素晴らしい眺めに息をのむ思いだ。正面に権現岳、右に阿弥陀岳、中岳、赤岳と続き、左にはキボシ、西岳、編笠山が迫る。
三ツ頭からはハイマツ帯をいったん下る。その先のピークは左側を巻き、険しさの増した岩稜を行く。ザレ場を登り左手に短い鎖の付いた低い岩場をを越える。すぐにそそり立つ岩壁の下に出て、これを左に巻いて10m近い鎖の付いた岩稜を登る。少し上が頂上岩峰の南基部である。石のほこらが祭られ、岩峰の頂点には天に向けた鉾(ほこ)が立ち、かつて権現岳が八ヶ岳信仰の中心であったことをうかがわせる。富士山から北アルプスまでの展望も申し分ない。特に北岳、甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳は堂々たる山体を見せる。
岩峰の基部を巻いて赤岳からの主脈縦走路に合流する。左に曲がり、権現小屋の脇を下る。ここからは岩くずのザクザク道だ。ギボシは長い鎖を補助に三ツ頭側に巻いて下る。ノロシバは稜線上の小平地だが、諏訪盆地や諏訪湖が一望の下だ。
前方には編笠山の端正な姿、手前のコルには青年小屋の赤い屋根。途中、鎖の付いている岩場もあるが短い。イブキジャコウソウ、チシマギキョウなど高山植物が多い岩稜だ。ハイマツの岩ザク道から低い木立を抜けて青年小屋。ここからは小屋前の広場を左手に折れ巻き道を下るが、時間と体力に余裕があれば編笠山に登り返して南に稜線を下っても良い。編笠山を踏めば40分ほど余計にかかるが、どちらも押出川に出て海からは安定した尾根道を観音平に下る。観音平へはタクシーも入る。